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どんな用土で植えればよいの?
鉢花は、植木鉢やプランターなど、容量の限られた器の中で育てるため、適切な用土に植えないと根が伸びられず、健全な生育は望めません。一般的に、次の条件を満たしている必要があります。
●排水性が良いこと。水やりをしたとき、すぐにスーッと水が引いて、鉢底の穴から水が流れ出るようであればOK
●同時に水持ちも良いこと。余分な水はすぐに排出しても、必要な分量の水分は土自体が保持してくれることが大切です。
●ふかふかした土で通気性が良いこと。植物の根は呼吸をしています。新しい空気(酸素)が供給されないようだと窒息状態となり、根腐れの原因になります。
●適切なpHを有する用土であること。バラは弱酸性を好みます。資料にもよりますが、「バラの生産技術と流通 大川清著 株式会社養賢堂」によると、pH5.5~6.5になるくらいと書いてあります。
生産者の場合、大量に流通していて、成分が安定していることからピートモスを主体とした配分で作成する方が多いですが、自分でブレンドして作成する場合は、一番大事なのは、バラを植えていた古い土を再利用するのは避けたほうが良いということです。
バラは肥料食いのため、土壌中の肥料バランスが著しく崩れている可能性があるためと、何より、うどん粉病や黒星病などの病原菌の温床となる残渣が土に残っていたり、根頭癌種病を引き起こすセンチュウなどがいた場合取り返しがつきません。ミニバラの場合、株そのものが小さいので、一度病気が発生すると、あっという間に枯れてしまうことが多く、一般の人たちはそれでがっかりした経験がおありなのではないでしょうか?
市販の培養土の場合は、その点、安心なものが多いです(かといって完全に安心はできませんが)。加熱殺菌済みの赤玉土やピートモスをメインに配合すると、病気に感染する恐れは軽減されます。あとは、配合する用土の種類によって、それぞれ保肥性、保水性、pHが異なるため、使用する鉢の種類に合わせて、配合する用土を変えると良いでしょう。ピートモスを主体とした場合、一例として、ピートモス:40%/パーライト:20%/腐葉土:10%/バーミキュライト:10%/畑土:20%が勧められています。
ピートモスは乾湿の差が激しいので、素焼きの鉢を使用する場合は、ピートモスを鹿沼土に入れ替えるか、それか、赤玉土を6割くらいにして、腐葉土1~2割(バーミキュライトは有っても無くても良い)、畑土2割で良いのではないでしょうか。この時注意したいのは、有機質として腐葉土を多量に混ぜないということです。腐葉土を多く使うと、コガネムシの幼虫が入り込み、腐葉土を食べ物とするついでにバラの根を食害し、枯らしてしまうことが報告されています。腐葉土をどうしても使いたいときは、植え込むときに残留性のある農薬も一緒に混ぜて植え込んでください。
しかし、自分でブレンドすると、手間がかかって大変なので、現在ではお店で「培養土」と称してブレンド済みの配合土が市販されているため、それを使うと便利です。培養土はあらゆる植物の栽培に対応すべく、一般的に弱酸性から中性に設定されており(pH6~7)、あらかじめ腐葉土等の有機質や肥料成分が混入されているものがほとんどです。バラに適用する為に、pH無調整ピートを混ぜ、弱酸性(pH6~6.5)に調整したものを使うと良いでしょう。栽培初心者の場合は、基本に忠実にするためにも、pH試験紙などでpHをきっちりと測定して使用するのが良いと思います。