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それでも、どうしても気に入った品種を長期間育成したいという人には…、
バラに欠かせない選定の方法を覚えましょう。長期間バラを維持、育成するためには必須の知識だからです。
なぜ、バラには選定が必要なのかというと、最大の理由は、日当たりや風通しをよくして、丈夫で健全な枝を育成する為、枯れ枝など痛んだ部位を取り除く為です。 むしろ、選定を躊躇すると、枝が徒長したり、分枝が減ったり、病気が発生することがあるため、時期にあわせてしっかりと行うことが大切です。株の状態に合わせて、切り戻しと、折り曲げ選定※を使い分けることが必要です。
※折り曲げ選定とは、病気や虫などで弱った葉が少ない株や、下葉がない場合、枝を折り曲げて、折り曲げた部位から新芽をふかせる手法です。新芽が吹いたら、折り曲げた枝はカットします。切り戻しによって株に過剰なダメージを与えたくないときに使用する方法です。
・春~初夏、晩夏~秋の開花後の選定
花が一通り咲き終わったら、次の開花(新芽の成長)を促進するために、剪定します。 水やりは選定の前日または前々日に水をしっかり行っておきます。ガーデンローズの場合、5枚葉の上でカットするように指定されていますが、ポットローズの場合、節が多いのでどの部分で切っても大差ありません。
伸びすぎたところを切りそろえる間隔で切り戻しします。さらに、切り戻しのついでに下葉の掃除もします。枯葉、枯れ枝は病気の元になりやすいので、土の表面はなるべくきれいにしておきます。 切り戻し後はすぐに水をあげず、通常の水やりより、気持ち程度、水やりのタイミングを遅らせます。葉や枝が少なって蒸散量が減っているため、すぐに水をあげると過湿による根腐れを引き起こしやすくなります。切り戻し後はしっかりと光に当てることが重要なポイントになります。
・初夏~夏の選定
本格的な夏に入ると、気温が高くなり、バラの体力が低下してきます。そこで、この時期は、剪定をするのではなく、花がらを摘むこと程度に抑えます。また、夏はあまり、花芽を付けさせず、株の維持に専念したほうが良いと思います。
・お盆明けの選定
秋にきれいな花を咲かせるために、少し切り戻します。
・晩秋(休眠準備)
11月~12月上旬になり、花が咲かなくなってきたら行います。株全体の1/3程度を目安に、花がらや、蕾、変色した枝などをカットして、屋外に置き、株を寒さに徐々に慣らせます。置き場所は、なるべく日光が当たる場所におきます。植物は光合成をほとんど行いませんが、土を太陽の光で温めて根の成長を促します。根の成長が進んでいると、翌春以降の生育が促進されます。寒さに株を置いておくと、ゆっくり落葉しはじめますが、枯れないように水は与え続けましょう。しかし、蒸散量は減っているので、水のやり過ぎには注意してください。
・冬~春前の剪定
翌春に健全な枝を伸長させるため、刺激を与えてもストレスが少ない休眠期(12月末~2月上旬)切り戻しを行います。思い切ってバッサリと切った方が、春以降の草姿のバランスが良くなる傾向にあります。基本的に、土は乾かし気味にしますが、完全に乾かさないように注意します。 これまでの手法はあくまで参考なので、ご自分の栽培環境に合わせて、調整する必要があります。しかし、これらの手法をうまく併用することで、翌年再度同じように花を楽しむことができます。